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公益社団法人 日本農芸化学会 関東支部
活動報告

2013年度若手発案企画(第1企画)
~第23回イソプレノイド研究会~

報告(報告者:岡田憲典)

 2013年度関東支部若手発案企画(第1企画)~第23回イソプレノイド研究会~は、9月14日(土)に東京大学農学部弥生キャンパス内の中島董一郎記念ホールにて13時より開催されました。初秋の残暑の中、50名の参加者を迎え、イソプレノイドに関連した幅広い内容の研究発表と活発な質疑応答が行われました。

 一般講演に先立ち、本研究会の世話人の一人である東京大学生物生産工学研究センター細胞機能工学部門の葛山智久先生から開会のご挨拶をいただきました。挨拶では、今年で23年目を迎えた本研究会例会の名称変更の経緯について簡潔な説明が行われ、より幅広い分野からの研究会参加を募るために、昨年度までの「ドリコールおよびイソプレノイド研究会」の名称をよりシンプルに「イソプレノイド研究会」とする点、また、本例会の立ち上げに携わってこられた東北大学・小倉恭三先生、古山種俊先生、東海大学・西川義尚先生からも、名称変更にご賛同頂いた旨をご説明頂きました。

 発表は一般講演17演題。
 最初の2演題は、東京農工大学・宮崎翔氏、川出洋先生による蘚類ハイゴケやヒメツリガネゴケにおけるジテルペノイド生合成に関する発表で、青色光に対する忌避反応にジベレリン類似のジテルペン化合物(コケレリン)が関与する可能性があると言った興味深い内容でした。
 続く6演題は高等植物におけるイソプレノイドの内容の発表で、イネの病害抵抗性発現の話題として帝京大学・宮本皓司氏、岡山大学・稲垣善茂先生、シス型イソプレノイド合成酵素遺伝子の植物種を超えた存在と生理機能に関して東北大学・青木裕一氏、京都大学生存圏研究所からは上撫健太氏、棟方涼介氏の両名によるシコニンおよびクマリンの生合成に関する内容で発表頂き、さらに東京理科大学・有村源一郎先生からは植物の放出する揮発性イソプレノイドが持つ昆虫誘因作用に関する内容で発表頂きました。
 続いて、東北大学・佐上博先生からは、動物の脂質代謝制御に関与するドリコールの話題から、実験材料として必要なドリコール類の植物等からの抽出と二次元TLCによる分離の詳細をご説明頂き、会場からはTLCでの分離技術のすばらしさに驚きの声が上がりました。

 後半は休憩をはさんで、微生物におけるイソプレノイド生合成に関する内容で8演題の発表がありました。
 まず、名古屋大学・服部 愛氏による好熱好酸性アーキアSulfolobus solfataricus由来ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼの立体構造についての発表に続き、東邦大学・藍原雄太氏によるLC-MSMSを用いたイソプレノイド生合成の基本基質の調微量定量技術の開発の話題の後、新潟大学からは、山鹿宏彰氏、岡本 渉氏、上田大次郎氏の3名の大学院生による非環状テルペン生合成経路、非天然型トリテルペンの創出、そしてセスクアテルペン生合成経路の解明について、それぞれしっかりとした発表が行われました。
 終盤の3演題は、ユビキノンを保持しない酵母におけるユビキノン生合成酵素遺伝子の足跡について島根大学・戒能智宏先生、放線菌の生産するプレニルカルバゾール類縁体の生合成研究について東京大学・小林正弥氏、そして最後に北海道大学・大利徹先生にはインドールジテルペン生合成の研究内容をテンポよく力強い説明でわかりやすくご発表頂きました。

 閉会の辞では、島根大学・川向誠先生から講評を頂くと同時に、本研究会の会則の作製についての準備状況もご説明頂き、来年度からの本研究会のさらなる発展に向けた取り組みについて参加者からの賛同を得つつ、閉会となりました。

 例会終了後には、大学のファカルティークラブで懇親会を行いました。発表だけでは足りなかったより深い議論が繰り広げられ、学生を含めた参加者どうしの積極的な情報交換が行われました。また、来年の第24回例会の開催については、岡山大学・稲垣善茂先生にお世話頂くこととなり、開催地岡山市のPRなど、多くの参加者に集まって頂けるようお話を頂きました。例年同様、限られた時間での交流ではありましたが、有意義な交流の場となりました。

会場の様子

開会の辞を述べる葛山智久先生
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会場の様子
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コケの話をされる川出洋先生
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京都大学・上撫健太さん。17演題中9演題が学生による発表でした。
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和やかに講演を始める佐上博先生
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緊張の面持ちで発表する名古屋大学・服部愛さん
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熱弁をふるう大利徹先生
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例会終了後の集合写真
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